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「有給休暇義務化」いよいよ、2019年4月から

「有給休暇義務化」がいよいよ始まります

有給休暇・国際比較調査2018によると、世界30か国における日本人の有休消化率は3年連続で最下位だということをご存じでしょうか。

また、有給を取得することによって罪悪感があると答えた人は58%と全体の半数以上であることから、周囲に迷惑が及ぶと考える日本人の国民性が表れていると言えます。

[voice icon=”アイコンURL” name=”ちょいす” type=”r fb”]2019年4月1日から順次施行される働き方改革関連法案によって、年5日の有給取得が義務付けられることになりました。[/voice]

この「有給休暇義務化」によるメリットやデメリットについての知識を身に着けるとともに今後自身に起こりうる状況を予測して予め備えておくことをおすすめします。

「有給休暇義務化」によるメリットとデメリット

サービス残業や休日出勤が常態化している職場では有給休暇を取得した場合においても出勤してしまうといったトラブルが考えられます。また、仕事量は変わらないことから周囲の人に負担がかかってしまうといったケースも少なくはありません。

一方、有給休暇を取得することによって従業員に余裕が生まれることから、作業効率が高まるとともにモチベーションアップになります。また、企業の労働環境の良さがアピールされますので、人材の定着率が高まり優秀な人材の確保にも繋がります。

更に、休暇によって生まれる時間的余裕はもちろん精神的な余裕はメンタルヘルスの向上に繋がることから、過重労働が及ぼすメンタルヘルスの不調を予防するとも言えます。

このように、休暇を取るということは労働環境の改善に繋がりますので、働く側にとっても企業側にとっても実にさまざまなメリットがあると言えます。

日頃からメンタルヘルスの向上に努める

メンタルヘルスに不調を感じている人にとっては「有給休暇義務化」によって休日が増えて出勤する回数が減ることでリフレッシュに繋がりますし、仕事における作業効率がアップすると言えますが、根本的な解決にはなりません。日頃から意識してメンタルヘルスの向上に努めることをおすすめします。

ストレス社会の現代、多くの方が何かしらのストレスを抱えて日常生活を送っていますが、そのストレスを溜め込まないように心がけることが大切です。ストレスはメンタルヘルスの不調に繋がります。誰にでも起こり得ることですので、日頃からセルフケアを行うように心がけましょう。

自分自身にあったストレス解消方法を身に着けるとともに、日頃からストレスへの気づきを良くすることがポイントです。

ストレスは結婚や出産、昇進やマイホーム購入といった幸せな状況でも感じるものです。気が付かないうちに溜め込んでしまって心身の疾患を引き起こさないためにも、自身が何をすればストレスが解消されるのかを意識しておきましょう。

ストレスの解消方法としてアルコールの過剰摂取をする方がいますが、睡眠の質を低下させてしまいますのでおすすめできません。何によってストレスが解消されるかどうかは一人ひとり異なりますので、自身にとって最適な方法を見つけておきましょう。

ストレスを溜め込まないようにする

ストレスは身体の疾患を引き起こすだけではありません。うつ病などの精神的な疾患を引き起こしてしまうケースもありますので気を付けましょう。

とはいえ日常生活を送っていくうえでストレスを完全に排除するということは難しいので、上手く付き合っていくように心がけることが大切です。

ストレスと上手く付き合ううえで基本となるのは日常生活の過ごし方にあります。バランスの良い食生活や適度な運動、良質な睡眠や自身に合ったストレス解消方法を身に着けることなど、心身の健康を促進するためにもこういった基本的なことから始めてみましょう。

抑うつ気分や不安感、睡眠障害や倦怠感といったうつ病の症状が2週間以上続いている方は得に注意が必要です。自分でも気が付かないうちにうつ症状が進行しているケースもありますので、自身のこころの声に少しでも早く気付いてあげることが大切です。

インターネットなどでセルフチェックを行うことも可能ですし、家族や友人などに話を聞いてもらうことによって気持ちが落ち着く場合もありますが、状態によっては専門医を受診してみることもおすすめします。

事業者はどう対応していくのか?

有給取得義務化により発生する使用者の仕事はどう変化するのか。
有給休暇を取得する方法として、今までの労働者が申し出て有給休暇を取得する形は変えることなく、使用者の時季指定による取得という形が新たに取れるようになります。

使用者が取得時季の指定を行う際は、まず使用者が労働者に取得時季の意見を聞きます。その後、労働者の意見を尊重し、使用者が取得時季を指定します。

今回の改正に伴い、使用者は労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存することが義務付けられました。

対象となる労働者は?

年10日以上の年次有給休暇が付与される可能性のある労働者は、以下の通りです。

  1. 入社後6ヶ月が経過している正社員またはフルタイムの契約社員
  2. 入社後3年半以上経過している週4日出勤のパート社員
  3. 入社後5年半以上経過している週3日出勤のパート社員

会社側の具体的な対応方法は

有給取得義務化に対応するには、個別指定方式と、計画年休制度の導入という2つの方法があげられます。

個別指定方式

労働者ごとに有給取得日数をチェックし、5日未満になっている労働者に対して、会社側が有給休暇取得日を指定する方法です。

メリットは会社による指定の柔軟性が高いことです。労働者と話し合って指定日が決められるので、労働者にとっては取得したい希望の日に取得することが可能となり、満足度を上げることに繋がります。
デメリットは個別管理が必要で手間がかかることです。使用者がすべての労働者の有給休暇取得日数を把握し、基準日から1年間の期間の終了日が近づいてきたタイミングで取得を促さなくてはいけないため、管理の手間が増えることになります。

現状で有給休暇取得日数が年5日以上の労働者が多数を占める会社には、個別指定方式が向いていると言えます。

計画年休制度

[aside type=”normal”]年次有給休暇は正社員だけでなくパートもアルバイトでももらえます。[/aside]

年次有給休暇は、就業から6ヶ月間継続して働いており、その労働日のうち8割以上出勤している労働者を対象に、一年に最低10日の有給休暇が付与される制度です。

これはフルタイムの正規職員だけでなく、非正規雇用のパートタイム労働者やアルバイトにも同じく適用されます。

計画年休制度は様々なパターンが可能で、全社で一斉に特定の日を有給休暇としたり、部署ごとに有給休暇をとる日を分けたり、あるいは有給休暇を取る日を1人ずつ決めていくこともできます。

メリットとしては、労働者を個別に管理する手間が省けることが挙げられます。労使協定により定めるため、個別の労働者ごとに有給取得日数の把握や取得促進を行わなくてもよくなります。

また、例えばお盆休みや年末年始休暇を現在の運用よりも5日長くするという内容で計画年休制度を導入することで、できるだけ業務に支障が少ない時期に有給を取得してもらうことができます。

デメリットとしては、労働者代表または労働組合との話し合いによって労使協定が締結されるので、会社側の都合で有給取得の日程を変更できないということです。

そのため、緊急の事態が発生しても労働者が有給休暇でほとんどいないということも起こりえます。
現状で有給休暇取得日数が年5日以上の労働者が少ない会社には、計画年休制度の導入の方が向いていると言えます。

もらえる年次有給休暇の日数

年次有給休暇の日数は、就業からの期間が6ヶ月以上となった時点で、正規雇用の場合で10日、非正規雇用の場合は労働日数(時間)に見合った分が付与されます。その後も就業開始からの期間が長くなるほど取得可能な日数が増えていきます。

有給休暇は翌年度に繰り越すことも可能ですが、有効期限があり、最大で2年、最高で40日までしか保有できないことになっています。

有給休暇の義務化に違反した場合の罰則

対象となる労働者に有給休暇の指定を行わなかった場合、30万円以下の罰金が課されます。罰金が課されないように早急に制度を整える必要があります。

まとめ

2019年4月から年次有給休暇5日以上の取得が義務化されることになりました。

企業は労働者に対して有給休暇の取得を働きかけるための制度を早急に整備する必要があります。具体的な方法としては、個別指定方式と計画年休制度の導入の2つがあり、各社の特性に合わせてどちらの方法が適しているかを判断するとよいでしょう。

「有給休暇義務化」によって休日が増えるということは、多くの人の心にゆとりをもたらします。それによって心身ともにリフレッシュすることができますので、上手く利用していきましょう。それとともに日頃から心の病への気づきを良くするように心がけ、根本的なところから解決することができるように意識して努めることをおすすめします。

長期間心に悩みを抱えていると、それはやがて身体の疾患を引き起こしかねません。こころの声を軽視することなく受け止めて行動に移すことこそが身体の疾患の予防に繋がります。それは同時に社会における生産性の向上にも繋がりますので、積極的に取り組みましょう。

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