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うつ病の人とどうかかわっていくか。。。

うつ(鬱)という病気を正しく理解する

平成25年に厚生労働省が行った調査で、うつ病の有病率は6.7%で15人に1人が生涯に一度はうつ病にかかる可能性があると報告されていることから、自分や周囲の人にも起こり得る病気といえます。

うつ病になると本人だけでなく、家族や身近な人も不安になり戸惑うことが少なくありません。家族や身近な人が共倒れしないために、うつ病の人への接し方のポイントやサポートについて挙げます。

まずは、うつ病に関する本を読んだり専門家の話を聞くなどしてうつ病の正しい知識を身に付けましょう。

本人の辛さを理解することはなかなか難しいものですが、理解しようとする姿勢が大切です。治療は長期にわたりますので、家族だけでうつ病の人を支えようとすることは賢明ではありません。ためらわずに医師や心理士、友人や知人に援助を求めましょう。

受診する際毎回付き添う必要はありませんが、一緒に主治医の話を聞くことで本人のどんな点に気をつけてサポートするといいのか分かることがありますので、時には付き添うこともおすすめします。

注意すべきことは、あくまで「付き添い」であるということです。貴重な受診の機会ですので、家族がしゃべり過ぎないようにしましょう。

また、本人が調子を崩してどうしても受診できない時などは代理での受診が可能な場合もあります。主治医と相談しながら進めていくとともに、本人はもちろん周囲の人も同様に病気を正しく理解することによって早期回復に繋がっていくということを意識しておきましょう。

ゆっくり休養できる環境づくり

うつ病の治療で重要なことは、十分な休養をとることです。気分転換に旅行しようと家族で考えることがあるかもしれませんが、心が消耗している状態なので普段楽しめることは楽しめず、むしろ疲労感を増して病状が悪化してしまうことがあります。まずは安心してゆっくり休めるよう環境を整えましょう。

うつ病の人は、心身ともに疲れた状態であるため、些細なことで不機嫌になったり、感情的になったりすることがあります。そのうえ、病気や将来への不安、なかなか良くならない自分への焦りなど様々な悩みを抱えています。家族や周囲の方はその気持ちを否定せず、感情移入せずに真摯な態度で聞いてあげましょう。

ポジティブな励ましは余計に苦しめることになります。また、○○すべきという決めつける言い方も負担に感じさせることがあるので避けましょう。常に温かく見守っていることを言葉や態度で示し、安心感を与えることが大切です。うつ病の人は元々まじめで頑張り屋で完璧主義の人が多いので、今のそのままでいいのだと心を和らげてあげられると良いでしょう。

また、うつ病の人に対して過剰な心配や気遣い、まるで腫れ物に触れるかのように特別扱いをすることは逆効果です。

そういった周囲の人の配慮に対して、応えられない自分に嫌悪感を募らせ、とても大きなストレスを感じてしまうことがあるからです。

いつも通りに接して、本人が自発的に楽しんでみようという気持ちが湧いてくる時を待ちましょう。少しでも身の回りのことや家事の手伝いができると本人の自己肯定感も高まりますので、症状が重い時期を除いて身の回りのできることはなるべく本人に任せることもおすすめします。

他にも、人生における重要な問題の決断は行わないように促すことも大切です。病気の影響で悲観的な発想しか頭に浮かばず、その選択肢しかないようにとらえてしまうことがありますので、病気を治すことを第一に考え、その問題は回復してから考えようと説明すると良いでしょう。

食事と生活リズム

うつ病になると、食べ物が美味しいと感じなくなることが多く食欲が低下します。症状が重い時期は、食べたいものを食べたい分だけ食べ、食欲が回復してきたら徐々に栄養バランスを考えた食事が摂れるようサポートできると良いでしょう。

うつ病は、脳の神経伝達物質が不足するなどして、脳の機能がうまく働かなくなることで起きる病気です。栄養バランスの良い食事(ビタミン、ミネラル、良質のタンパク質)はダメージを受けた脳の機能回復に役立ちますので、日頃から心がけておきましょう。

また、脳の本来の機能を取り戻すには生活リズムも重要です。症状が重い時期は、休息を最優先にして「寝たい時に寝て、起きたい時に起きる」「自分が楽だと思える過ごし方で過ごす」という方針で見守ります。症状が安定してきたら、朝は太陽の光を浴びて昼間は散歩に出るなど少しずつ活動を増やし、夜は遅くまで起きていないよう声かけできると良いでしょう。こうして睡眠と覚醒のリズムを徐々に整えていくことを目標にします。

まとめ

病気が回復に向かっている時期は、その日によって症状が変わることが多いので接し方にも注意が必要です。一進一退はこの病気につきものですので、一喜一憂させないことが大切ですし、焦りも禁物です。

また、症状が軽くなったからといって、自己判断で薬を減らしたり止めたりしないように管理しましょう。薬は充分な期間服用することが必要ですので、専門医とよく相談するよう対応してください。

うつ病の人にとって、家庭が安らぎの場所であること、家族が傍らで温かく見守っていくことは何よりも大切で、病気の回復に欠かせません。

しかし、うつ病の治療は長期にわたるので、大きな責務を感じて力が入りすぎてしまうと家族の心の健康も保てなくなります。特別なことをする必要はなく、普通でいることを意識しましょう。

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