睡眠時間は取っているのに寝た気がしない、疲れが取れない、眠くて仕方がないとは、いったいどういうことが原因なのでしょうか?
まずは、眠くなるには神経の切り替えと、眠りホルモンの分泌が必要なのですが、寝れないとか眠りが浅ければ疲れはとれませんよね。
1、もしかして、寝る前にテレビやゲーム、パソコンやスマホを見ていませんか?
これを寝る前にやっていると、眠りのホルモンは出ませんよ。
テレビやスマホなどの光をみていると、眠りモードに切り替わってくれないんです。
対策としては、電気を消して寝れなくてもそのまま横になっていることです。
2、それでもだめなら、もしかして、朝起きるタイミングか、二度寝してしまっていませんか?。
これによってもすっきりしませんよ。なぜなら、ノンレム睡眠(深い眠りのとき)に起きていると、1日すっきりしません。対策としては、起きるタイミングは4時間半、6時間、7時間半と1時間30分区切りで考えましょう。
3、向上心がかなり高い人でがんばりすぎていませんか?
もしかして、毎日がんばりすぎて、休みも取らず、息抜きや気分転換もせず、知らず知らずにストレスが蓄積しているかもしれません。
毎日せかせかと時間に追われたり、切迫した状態が続いたりすることは、ストレスを感じる大きな原因になります。
ストレスがかかると睡眠を抑制する働きがある「ACTH」というホルモンが分泌され、緊張状態が続いて、疲れがとれにくくなります。これが続くと脳の機能にも影響して慢性化してしまうんです。
もしかするとすでに脳の働きが低下しているかもしれません。
長期に渡って悩みを多く抱えたり、考えることが多すぎたりすると、思考回路がだんだん鈍くなり、脳が疲労してうまく脳内の伝達動作が働かなくなってしまいます。この状態を脳疲労と言います。情報が多すぎて脳が処理しきれなくなり起こるのですが、過剰になり過ぎたり、長期に及んだりすると脳が適応出来なるんですね。
脳疲労の原因として考えられるのは、情報化時代においてPCやスマホなど処理するスピードが早く、情報量が圧倒的に多いので、脳疲労のリスクは高まるばかりです。
脳に貯められているエネルギーが不足していき、脳自身が疲れてしまうのです。
徹夜が続いて翌日も仕事で脳の疲労感が回復しないまま仕事をしたり知的な作業を行うことで少しづつ脳の疲労が蓄積していってしまうんです。
疲れているときはがんばらずに休むこともしないと脳内物質に異常をきたし、うつ病などの可能性も高くなってしまいます。バランスが大事です。
脳疲労の症状としては、眠れない、夜中に目が覚める、いつも疲れている、やる気が出ない、思考がはっきりしない、食欲がない、過食になるなど。脳疲労はホルモンや免疫機能、食欲コントロールなどにも影響しているため、このような症状がみられるのです。
脳疲労が続くと、思考がはっきりしなくなったり頭痛がしたり、頭にモヤがかかったような状態になったり、物忘れが多くなるという症状が出る人もいます。
脳が疲れてくると感情も鈍くなり、泣いたり、笑ったりという感情が外に出なくなってしまいます。我慢をしすぎてしたいことを抑えてしまいすぎることもよくないので注意が必要です。
また、五感にも影響して味覚が鈍感になり極端な味つけのものを食べたくなるので、甘いものや油分が多いものなどが増えてしまいます。さらに食欲をコントロールすることもブレーキが効かなくなり、肥満の原因にもなってしまうのです。
脳疲労とうつの関係
脳そのものの疲労が加速して慢性化してしまい、それが2週間以上続くと脳機能が回復するのに最低2~3ケ月はかかるようになります。こうした脳の疲労がうつの正体ともいえるのです。
脳疲労を感じている方は、すでにうつ病を発症している可能性もありますし、うつ病に発展する可能性を極めて高い確率で秘めているともいえるのです。
4、寝ても寝ても眠いからとさらに睡眠時間を増やしている人
過眠になると、睡眠は浅くなります。睡眠が浅くなると覚醒時も意識レベルが低くなり、起きている時も十分に覚醒できなくなってしまい、いつも眠気くてたまらないという状態になるわけです。
そもそも「寝すぎ」は体に悪いんです。
浅い睡眠の時は、体は休んでいるものの、脳は深い休息状態でないため、血圧の変化が激しくなったり、心拍や呼吸が不規則になったり、自律神経が不安定な状態なのです。
もちろん体にとっては好ましくない状態です。
浅い眠りを続けてしまうと、体内時計が乱れてしまい、自律神経だけでなく、ホルモンにも非常に悪影響を与えてしまうのです。
体内時計が乱れると、抗酸化作用のある眠りのホルモンといわれる“メラトニン”の分泌が乱れ、細胞にダメージを与える活性酸素から守れなくなってしまいます。
当然のことながら、そうなると体が老化しやすくなります。
さらに厄介なことになんと、寝すぎは糖尿病などの生活習慣病のリスクもあげてしまうのです。
英国や米国(ロンドン大学、コロンビア大学)の大学の研究でも7.5~8.5時間以上の睡眠時間をとっている人は、6.5~7.5時間睡眠の人よりも死亡率が20%もアップしたという結果が出ています。
更にカラダだけでなく、「脳」にも悪影響を与えていることが明らかになっています。
同大学で9時間以上眠った学生と8時間眠った学生とを学力で比較したところ起床後の学力テストでは8時間睡眠の時の方が成績が良かったということです。
原因については、寝過ぎると逆に脳が疲れてしまうからだといわれています。
さらに同大学病院の実験調査によると一日の睡眠時間が平均9時間以上の人たちは、睡眠時間が平均6~8時間の人たちと比較して脳の衰えが著しく、モニター実験期間の3年間で見えた「脳の老い」の差がとても大きかったという結果がでています。
睡眠時間は長過ぎても、短すぎても、脳の機能が低下することが証明され、実際の年齢よりも7歳以上も老化を早めるという結果だったようです。
では、どのくらいの「睡眠時間」がベストなのかというと、平均6時間から8時間の人たちの脳の老化が一番遅かったそうです。なんと、4から5時間睡眠の人たちよりも9時間から10時間睡眠の人たちの方が脳老化が早かったそうです。
寝てるのに眠くて仕方がない、疲れがとれない人は参考にしてみてください。