人生を豊かにする知恵が満載。お金と健康に特化した福学オンラインサロン
LIFE

精神科と心療内科の違い わかりますか?

精神科と心療内科の違いは?

1. 心の病気か心身症か

精神科と心療内科の大きな違いは、心の病気を診るのか、心身症を診るのかという点です。

どちらも原因は心にありますが、精神科では心(精神)に関わる症状を、心療内科ではからだにあらわれる症状を診ます。

どちらの科も治療は薬物療法や精神療法を中心に行いますので、自身の症状にあわせて受診しましょう。

2.精神科ではどんな病気を診るの?

精神科は心の症状や病気を扱う科であり、心の病気そのものを治療します。

具体的には、不安や落ち込み、イライラや落ち着かないなどの気分症状、幻覚や幻聴、妄想などの精神症状、こだわりや物忘れなどの認知症状、眠れないあるいは寝過ぎてしまうなどの睡眠症状といったものが対象です。

うつ病、統合失調症、双極性障害などの主に精神的な症状が強く現れる精神障害の治療を行います。

また、発達障害や認知症、アルコール・薬物・ギャンブルなどの依存症も診ます。

治療方針を決める根拠は、米国の学会などが作った診断基準です。

ただ、人の心はマニュアル通りにはいかないので、精神科医は経験の豊かさで診断をカバーしています。
精神科医療にかかわる医療機関は様々ありますが、まず、病院とクリニックの違いは、入院施設を持っているかいないかという点です。

一般的に、大学病院の精神科は精神科医の数が多く専門領域に精通した医師がいるので、最新の検査や治療を受けることが可能な場合があります。多くの診療科がある総合病院の精神科は、精神疾患の他にからだ的な疾患をお持ちの方が治療を受けやすいというメリットがあります。

病院によっては、神経科、精神神経科、神経精神科などと名称が変わることがありますが、実際の診療内容は精神科と同じと考えてよいでしょう。
似たような名称で、神経内科がありますが、こちらは脳血管障害やパーキンソン病などの脳神経系の疾患が専門ですので、心の病気とは関係ないことに注意しましょう。

また、精神科を主体とする精神科病院は、複数の医師の他に精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー)、臨床心理士、作業療法士などのスタッフが在籍しており、デイケアなどの精神科リハビリテーションが充実しています。

病院と比較すると気軽に受診できるクリニックは、交通の便利な所にある場合が多いと言えます。

精神科医1名で診療しているケースがほとんどですが、臨床心理士のカウンセリングを受けられるなどクリニックごとに特徴があるようです。平日の夜間や土曜の診療を行っているクリニックもあり、通院治療に便利です。

3.心療内科で主に診るのは心身症

心療内科で主として扱う心身症とは、からだの病気のうち、発症やプロセスが心理的・社会的要因と関与が大きい病気を指します。心身症という単一の病気はありません。心身症は多くのからだ疾患の中に認められます。

具体的には、胃・十二指腸潰瘍、気管支ぜんそく過敏性腸症候群、片頭痛、円形脱毛症などが挙げられます。

心療内科では、からだ症状に対する治療とその症状の要因となっている心理面の治療を同時に行い、心理状態とからだ機能のつながりを正常化していくことで、心身症を治療します。

明らかにからだに症状があり苦痛を感じているが、内科などの検査で異常が出ないといった場合や、何の病気か見当がつかないがからだの症状が強く出ていて、その背景に何か心理的なきっかけや理由が思い当たるようであれば、心療内科を受診することをおすすめします。

心療内科は比較的新しい科で、日本で九州大学に心療内科が初めて創設されたのが今から約50年前です。精神科のように大学病院や総合病院で診療科として掲げている数は多くありませんので、クリニックを受診されるとよいでしょう。

4.まとめ

経済的に豊かになり、科学技術も高度に発達し、便利で快適な生活が実現している現代ですが、一方で、ますます激しくなる競争社会、管理社会の中で、子供から大人まで多くの人々がストレスを抱えており、それが原因でこころの病にかかるケースが増えています。

誰もが、ためらわずに精神科や心療内科を受診できるようになれば、重症化を防ぐことにもつながるでしょう。

近年では、心療内科と精神科が併設されているクリニックなどが多く見られるようになりました。精神科と心療内科の境界は曖昧な部分もあるため、両方の科をカバーして治療の間口を広げるだけでなく、来院する人の「精神科」に対する抵抗を軽減するという目的もあります。また、「メンタルクリニック」や「こころのクリニック」というような名称の医療機関も見られるようになりましたが、精神科と心療内科を合わせてこのような名称にしている場合が多いようです。

これらも、やわらかい表現を用いることで患者が診察に訪れやすくする工夫と言っていいでしょう。

まずは診察を受けてみようという気持ちを持つことが大事です。自分の症状が、心療内科に行くべきか精神科に行くべきか迷う場合は、両方の科を併設している医療機関を受診されることをおすすめします。

この記事は役に立ちましたか?

参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

関連記事

新着記事
会員限定
おすすめ
PAGE TOP
ログイン