ほとんどの方が毎日に欠かさずに歯磨きをしていると思います。歯磨きをするときには、歯磨き粉や歯ブラシが必要になるのですが、皆さんは歯ブラシを選択するときに何か基準を決めたりしているでしょうか?多くの方は、スーパーやドラッグストアなどで深く考えることもなく購入していることだと思います。時には、特売コーナーにある歯ブラシをご家族分まとめて購入したりすることもあるのではないでしょうか?
しかし、実は一口に歯ブラシと言っても、赤ちゃんが使うことを前提とした歯ブラシや、部分ブラシとして作られたタフトタイプ、テレビCMなどでもよく見る電動タイプなどと、非常にたくさんの種類があるのです。歯磨きというのは、虫歯や歯周病予防のために行うものですので、きちんと歯垢を落とすことを考えた場合、歯ブラシの「かたさ」や「ヘッドの大きさ」は自分の口に合ったものを選ばなければいけません。
そこで今回は、一般的な歯ブラシの種類や選ぶときのポイントなどをご紹介したいと思います。記事の最後には、市販されている歯ブラシの中で、歯医者としてもオススメ出来る歯ブラシをいくつかご紹介しておきます。
歯ブラシの種類と選び方のポイント
それではまず、一般的なドラッグストアなどでも購入できる歯ブラシには「どういった種類があるのか?」ということや、実際に歯ブラシ選びをするときに、注意しておきたいポイントいくつかご紹介しましょう。
歯ブラシにはどんな種類がある?
スーパーやドラッグストアに行けば、非常にたくさんの歯ブラシが並んでいます。もちろんどの歯ブラシにしても、効率的に歯磨きができるよう考えられているのですが、「どれを選んでも同じ!」という訳ではないのです。以下で、一般的に市販されている歯ブラシの種類を簡単にご紹介します。
- 永久歯列期用歯ブラシ
一般的に市販されている大人用の歯ブラシがこれです。基本的に歯ブラシが並列になっており、毛の高さも均一になっています。正しい磨き方をすることで、全ての歯をしっかりと磨けるように作られています。 - 子供用歯ブラシ
乳歯が生えている子供や、永久歯への生え変わり期に使用することを考えられた歯ブラシです。このタイプは、子供でも握りやすいハンドルになっており、毛がやわらかめの素材でできていることが多いです。子供用歯ブラシは、対象年齢が細かく分かれているものもありますので、対象年齢を参考にお子様に最適な歯ブラシを選ぶことも可能です。 - 矯正治療中用歯ブラシ
歯列矯正をしている方が、適切に歯磨きできるように考えられたのがこれです。このタイプは、歯ブラシの真ん中が盛り上がっている『山形タイプ』や、逆に真ん中がへこんでいる『U字型タイプ』があります。矯正器具を付けている場合、こういった歯ブラシがオススメです。 - 部分清掃用歯ブラシ(タフトブラシ)
歯と歯の間や歯と歯茎の間を磨く用の歯ブラシです。このタイプは、通常の歯ブラシでは磨きにくい部分のお手入れができますのでぜひ利用しましょう。ただし、通常の歯ブラシと違い、広範囲を一気に磨くという使用方法はできませんので、通常の歯ブラシと併用することが前提となるでしょう。 - 電動歯ブラシ
電動歯ブラシは、スイッチを入れるとブラシ部分が小刻みに揺れるようになっており、毛先を歯に当てるだけで歯磨きができます。自分でゴシゴシしなくて良い手軽さや、手で磨くよりも早い、細かなところまで磨けるといったメリットがあります。一般的に本体は3~5年で買い替えの必要があると言われますので、コストはかかります。
歯ブラシ選びのポイントは?
それでは、実際に歯ブラシを選ぶときに注意しておきたいポイントもご紹介しておきましょう。
- 毛の細さをチェック
歯ブラシによって毛の細さは異なります。どうでも良いようなポイントに思えますが、毛の細さによって細かな部分まで磨けるかが変わるのです。歯と歯茎の間には歯周ポケットと呼ばれる部分があり、ここに汚れがたまってしまうと、歯周病の原因となるのです。こういった場所は、毛が細い歯ブラシの方が入っていけますので、歯周病が気になる…歯周病予防がしたい…という方は毛の細さを注意しましょう。 - 毛の硬さをチェック
毛の硬さも歯ブラシ選びの際には重要です。このポイントでは、歯茎の状態や歯磨きをする際の力加減を考えましょう。一般的に歯茎などに特に問題がない状態の方であれば「ふつう」の硬さのものが良いとされます。しかし、歯磨きの時につい力を入れてしまう…歯茎が弱っている…などと言う人は「柔らかい」毛質のものがオススメです。毛質が「かため」のものは、歯磨きの時に力を籠めることが出来ない高齢者の方にオススメです。 - ヘッドのサイズをチェック
ヘッドとは、歯ブラシの毛がついている部分です。この部分も『大き目・普通・小さめ』と種類があるのです。ヘッドの大きさは、前歯2本分の幅と同じぐらいのものを選ぶのがポイントとなりますが、1本1本の歯を細かく磨きたいという方は、ヘッドが小さめのコンパクトな歯ブラシを選びましょう。 - 歯周病の方は歯ブラシ選びを慎重に
既に歯周病になっている…という方の場合、歯茎への刺激が少ない歯ブラシを選ぶのがオススメです。具体的に言うと、毛先が丸くなったもの、柔らかい毛質のもの、毛の数が多すぎないもの、が選ぶときのポイントになります。歯周病は、治るまでに時間がかかりますので、治療中に歯磨きで刺激を与えないように注意しなければいけません。
歯ブラシ選びをする際には、上記のようにさまざまなポイントを考えておかなければいけません。今まで何も考えずに歯ブラシを選んでいたという方は、今後の歯ブラシ選びには参考にしてみてください。
ちなみに、歯ブラシの交換時期に関しては、1カ月程度で新しいものに交換するのが良いと言われています。歯ブラシは、毎日の歯磨きで、徐々に毛先が開いてしまい、歯垢が取りにくくなってしまうので、毛先がひろがってしまう前に交換するのがオススメです。1カ月程度で毛先が開いていない場合でも、衛生面を考えると小まめに交換する方が安心です。
歯医者がオススメする市販歯ブラシ
それでは最後に、市販されている歯ブラシの中でも歯医者自身がオススメ出来ると思う歯ブラシをいくつかご紹介しておきましょう。
【ライオン】クリニカ アドバンテージハブラシ 4列 超コンパクト
この歯ブラシは、ペンのように歯ブラシを持つ方にとてもオススメの歯ブラシです。さらに、持ちやすさ以外にも、非常にコンパクトでスリムな形状をしたヘッドのおかげで、従来の歯ブラシと比較しても、より奥歯にも届きやすく、磨きやすくなっています。
毛の硬さは「ふつう」タイプで、弾力性があり、歯にフィットしますので歯の表面はもちろん、歯間までしっかりと歯垢をかき出すことが出来るでしょう。現在、歯間や奥歯が磨きにくいと考えているのであれば、一度使用してみてはいかがでしょうか。
【サンスター】GUM デンタル ハブラシ 超コンパクトヘッド
コチラも、ヘッドがコンパクトで奥歯や歯並びの悪いところも効率的に歯磨きできる歯ブラシです。独自の「多機能植毛」と「先端3本毛」構造が特長で、歯間汚れもしっかりと落とせる歯ブラシになっています。
なお、歯ブラシの柄には、ブラッシングするときの圧を吸収するラバーがついているため、歯茎を傷めるほど強い力で磨いてしまう…なんて人は、力の入れすぎ防止もできると思います。
【ライオン】システマハブラシ 超コンパクト
超極細毛が特長の歯ブラシです。毛の柔らかさは「ふつう」ですが、従来以上の超極細毛を実現したこの歯ブラシは、歯周ポケットの隙間の汚れも無理なくかき出すことが出来ると言われています。
18年以上、連続して売り上げナンバーワンを誇る歯ブラシですので、老若男女問わずオススメ出来る歯ブラシと言えます。
まとめ
今回は、歯ブラシの種類や選ぶときに注意しておきたいポイントについてご紹介しました。歯ブラシについては、一見するとどれも同じような形状をしているため、何を選んでも構わないと考えている人が多いと思います。しかし、本稿でご紹介したように、歯ブラシの中にもいろいろな種類が存在しており、口の中の状態や歯磨き時の癖などによって選ぶべき歯ブラシは異なるものなのです。
今まで、ドラッグストアでテキトーに選んでいた…などと言った方は、本稿を参考にして、きちんと歯ブラシ選びをしてみてはいかがでしょうか?どうしても自分に最適な歯ブラシが見つからない…という場合には、お近くの歯科医院に足を運び相談してみることをオススメします。