正しい生活習慣を身に付ける
健康は一日にしてならず。毎日の習慣の積み重ねの結果が、現在の自分自身の健康状態に反映されているのです。私たちが健康に快適に過ごすためには、「食生活」「運動」「休息」の習慣をバランスよく取り入れ継続していくことが大切です。
新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大と蔓延はまだしばらく続きそうです。不要不急の外出を避けなければならないこの時期に、日頃の生活習慣を見直し健康習慣を身につける機会とされてはいかがでしょうか。
1. 体調や生活習慣をチェックする
生活習慣チェックテストで、自分に不足しているものやバランスが崩れている原因を探ってみましょう。
生活習慣チェックテスト
<食生活について> <運動習慣について>
□毎食お腹いっぱい食べてしまう □運動不足だと思う
□味の濃いものやインスタント食品が好き □歩くより車や自転車を使う
□野菜料理は苦手 □エスカレーター、エレベーターは必ず使う
□魚より肉が好き □バスや電車はできるだけ座る
□朝食はあまり食べない □身体のこりや硬さを感じる
□食事は外食や市販の弁当が多い □仕事はデスクワーク中心だ
□22時以降に夕食や夜食を食べる □家事はできるだけやりたくない
□食事は一人で食べる □定期的な運動はやっていない
□ほぼ毎日間食する □どちらかと言えばインドア派だ
□お茶よりコーヒーやジュースを飲む □休日は家でゴロゴロすることが多い
<休養・ストレスについて> <飲酒・喫煙について>
□毎日忙しい □ほぼ毎日お酒を飲む
□どちらかというと几帳面なほうだ □24時を過ぎても飲んでいることがある
□睡眠不足が続いている □何も食べずに飲む方だ
□最近イライラすることが多い □ストレス解消にはお酒が一番
□家族関係や仕事で悩みがある □仕事上飲まなければならないことが多い
□物事に熱中しやすい □1日平均飲酒量は日本酒3合(ビール中びん 3本、焼酎2.5合、ワイングラス6杯以上)
□引っ越しや転勤、異動などで環境が変わった
□たばこを1日10本以上吸う
□朝から疲れを感じることがある □イライラするとたばこの本数が増える
□趣味といえるものがない □仕事中でもたばこを吸っている
□自分だけの時間がなかなか確保できない □自分は吸わないが周囲に喫煙者が多い
判定結果
11点~20点…できるところから改善を
21点~30点…気を引き締めて生活改善を
31点以上…生活習慣病罹患のリスクが高いため今すぐ生活改善を
2. 生活習慣改善の10カ条
全国健康保険協会が提唱する生活習慣改善の10カ条をご紹介します。
その1[運動]適度な運動を毎日続けよう
今より10分多く体を動かすことから始めましょう。無理しない程度に毎日続けることが大切です。自転車で通勤する、1駅手前で降りて歩く、エレベーターやエスカレーターを使わず階段を使う、歩いて買い物に行く、テレビを観ながら筋トレやストレッチを行うなど、ちょっとした工夫や心がけで日常生活の運動量を増やしましょう。
その2[たばこ] 今すぐ禁煙を
多くの有害物質を含むたばこは、健康に様々な悪影響をもたらします。また煙の害は喫煙者だけではなく周囲の人にも及びます。
本数を減らしたり軽いたばこに替えたりすることに効果はありません。禁煙を成功させるコツは、「今日1日は1本も吸わない」という心構えでスタートして吸わない日を少しずつ増やしていくことです。
どうしても吸いたくなったら、深呼吸や軽い運動、水やお茶を飲む、口さみしいときはシュガーレスのガムをかむ、歯磨きやうがいをするといったことも効果的です。
ただ、重度のニコチン依存症に陥っている場合は、自分の意志だけで禁煙するのは難しい場合がありますので、専門医の受診をおすすめします。
医師による禁煙指導を受けることができる「禁煙外来」では、自分に合ったアドバイスが受けられるとともに、「禁煙補助剤」などの治療薬が処方され、禁煙の成功率が高まるといわれています。
その3[食事(塩分)] 塩分控えめに
高血圧や動脈硬化の予防のために塩分控えめ(1日男性9g、女性7.5g未満)の食事を心がけましょう。美味しく減塩するコツは、薬味や香辛料、酸味を効かせたり減塩調味料を使用することです。また塩分の排出を促す緑黄色野菜(ほうれん草、ニラ、春菊)や果物、海藻類、豆類やいも類を積極的に摂ってください。
その4[食事(脂質)] 脂っぽい食事は避ける
揚げ物や炒め物より蒸したり煮たりする料理を選ぶことや、肉類は下茹でや湯通しをすることも大切です。また、乳製品や動物性食品にはコレステロールが多く含まれているので、取り過ぎないように意識しましょう。
その5[食事(肉より魚のすすめ)] 主菜は肉より魚を心がける
青魚に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は中性脂肪やコレステロールを低下させ、生活習慣病の予防に役立つことがわかっています。
その6[食事(野菜)] 野菜をたっぷりとる
なるべく1日350g以上とりましょう。
その7[飲酒] お酒はほどほどに
1日の適量は、ビール中ビン1本(500ml)、日本酒1合(180ml)、焼酎0.5合(90ml)、ウイスキーダブル1杯(60ml)、ワイン2杯(240ml)です。週に1日は休肝日をもち、適量を心がけてください。
おつまみは野菜や海藻類、豆類やサラダ、刺身や酢の物など低カロリーのものを選びましょう。
その8[歯の健康] 全身の健康は歯の健康から
毎食後、歯を磨くように心がけましょう。何でもよく噛んで食べることができることは食生活を豊かにするだけではなく、健康の維持増進や病気の予防にもつながります。歯ブラシやデンタルフロス、歯肉ブラシを用いた「プラークコントロール」は歯周病予防に最も効果的なセルフケアです。
その9[ストレス] 自分にあった方法でストレス解消
ストレスは健康のバランスを崩す原因にもなります。ストレスの解消方法は人それぞれですが、それを楽しいと感じているかどうかが肝心です。興味のあることややってみたいことに挑戦して、ストレス解消にもつながったというのが理想的です。
その10[睡眠] 規則正しい睡眠で十分な休息を
睡眠には疲れた身体をリラックスさせ疲労を回復させる効果があります。夜更かしを控え規則正しい睡眠をとりましょう。睡眠不足は生活に悪影響を及ぼします。注意力が散漫になったり集中力が低下した状態が数か月持続すると、不安やイライラ、自信喪失、疲労感などといった症状がでてきて大きなストレスとなります。
また生活習慣病の発症リスクも高めることになります。
質の高い眠りを得るためには、規則正しい生活を心がけることが何よりも大切です。私たちには生命活動を営むための「体内時計」があり、朝の太陽光を浴びるとリセットされて1日24時間のリズムに合わせてくれるようになっています。
このリズムに合わせて規則正しく生活していれば、夜になると自然と睡眠の準備が整い質の高い睡眠を得ることができます。夜型の生活が定着している場合は、朝決まった時間に目覚めて朝日の光を浴びるようにして、体内時計をリセットしましょう。
快眠を誘う生活習慣のポイント
・1日3食の食事を規則正しく摂取する
・寝る時間と起きる時間を毎日一定にする
・朝目覚めたらカーテンを開けて自然光を浴びる
・就寝3時間くらい前に適度な運動を習慣化する
・入浴は就寝2~3時間前とする
・就寝前はカフェインを含むコーヒーや緑茶は控える
・就寝前はPC、タブレット端末、スマートフォンなどの画面を長時間見ない
生活習慣病は長時間にわたる不摂生が影響して発症します。健康な体を維持して健康寿命を延ばすためにも、日々のちょっとした習慣を見直すことから始めてみましょう。